天上天下カルドン・ラ峠 -Khardung La Pass , India-

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2011年7月5日…不肖ターミー、二輪車デ世界最高ノ標高カルドン・ラ峠(5602m)ニ突撃シタノデアリマス! 天候ハ晴レ、敵影ハ見エズ。

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…ついにここまでやって来れたわい。と、言ってもカルドン・ラ峠のことを知ったのはつい最近、ネパールのポカラでお世話になったバイク屋にこんな写真が貼ってあり、この写真を見てインドに世界で最も標高が高い峠があることを知ったんだ(5602mという数字はサバを読んでいるという説が濃厚。詳しくはWikipediaで)。それ以来、この峠のことが気になって気になって…ここにバイクでやってくるのがインド旅最大の目的だった。インドの他の観光地はここのオマケみたいなモノさ。
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一緒にカルドン・ラ峠まで上ったパートナーはこの2人。シュリ君(右)はダラムシャーラーから一緒にいる相棒、大阪出身のムロ君(左)はレーの宿で一緒になった旅仲間。ムロ君を私の後ろに乗せ、3人でこの峠に突撃をかけたんだ。
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レーからカルドン・ラ峠までは片道40kmとそれほど遠くない。レー郊外のこんな道を北へ向かって突き進むだけ。
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峠へと続く道はいちいち景色が綺麗。だから何度も停まっては周囲の風景に目を奪われ、写真を撮りまくる。…そんなわけで山頂まで片道3時間もかかっちゃった。
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40kmの行程のうち、25kmほどはこんな綺麗な舗装路を走る。
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峠への道はウネウネとしたカーブの連続。
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途中、警察のチェックポイントがあり、入域許可証のチェックがある。峠までのチェックポイントは2ヶ所だと聞いていたけれど、ワシらは結局1ヶ所でしか停められなかったぞ…1つ見落としたのかな?
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頂上まであと14km。ここから道が悪路になる。
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固く締まったダートなので、ある程度バイクに慣れている人なら問題ないけれど、カーブに砂が落ちていたり、雪融け水が川になって道路を横断していたりと、少々怖いポイントもある。
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しかし、エエ景色じゃ。
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峠道にガードレールなんてモノはない。踏み外せば即死間違いなし。南米にデスロードっていう怖い峠道があるらしいけれど、ここと大して変わらないコンディションじゃないかな。
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今日の天気は完璧。遠くにヒマラヤ山脈も綺麗に見えておるわい。
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カルドン・ラ峠はバイク乗りや自転車乗りに大人気。だから、日中はバイクや自転車の往来が多い。ちなみに、自転車でカルドン・ラ峠に突っ込みたい人向けのツアーがあるらしい。レーにあるレンタル自転車ショップでツアーを受け付けていて、山頂まで車で人と自転車を運んでもらい、レーまで峠道をひたすら下っていくツアーだってさ。
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だいぶ標高が上がってきたのう。標高4000mを超えると、バイクのパワーが明らかに落ちてきた。2人乗りで坂道発進ができなくなっちまうほど。標高3000mくらいなら走るのに問題はないんだけれど、4000m、5000mとなるとさすがに影響があるんだね。
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この辺りで標高5000m超。。
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カルドン・ラ峠はもうすぐ!
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ジャジャーン! ここがカルドン・ラ峠だ!! イタリアのステルビオ峠を上ったときも感慨深かったけれど、カルドン・ラ峠にやってきた感動はそれ以上!!!
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チベット文化圏のどこの峠にもあるチベット仏教旗。この峠では旗の数が異常に多い。さすがは世界一(?)の峠!
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山頂には万年雪が積もっている。今日みたいな天気がいい日でも、山頂はかなり寒い。たぶん、10℃以下だったはず。
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峠の北側に見えているのはカラコルム山脈。この峠はヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に挟まれた場所にあるんだ。
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山頂に来たらお決まりの記念写真を撮ってあげる。もうすぐシュリ君ともお別れなんだけれど、彼のおかげで楽しい時間を過ごせたし、質問魔の彼のおかげでいろんなことを考え、頭の中を整理できたよ。ありがとうね、シュリ君。
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滅多に自分の写真を撮らない私も、ついつい気持ちが高ぶって記念写真を撮ってもらう。腹とパンツが見えているけど、ここはカルドン・ラ峠。大目に見てくれや。
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標高5602mの場所で飛んだり跳ねたりしてハシャぐと、さすがのワシも少々頭が痛くなってきた。ということで峠を下り、レーに戻ることにする。軽い高山病なら、標高を下げるだけですぐに体調が良くなるんだ。
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今日の空の色は本当に完璧だな。現実のモノとは思えない深い青だ。
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相変わらず綺麗にヒマラヤ山脈が見えている。ここまでヒマラヤが綺麗に見えるのはレーに来て初めてだよ。
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で、ポカポカと暖かい麓に戻ってきたとさ。
自分の中でいつのまにか特別な場所になっていたカルドン・ラ峠。実際にここにやって来て、いろいろと感じることがあった。これまでの2年間の旅では感じなかった「旅に区切りがついた」感があるんだ。「バイクで世界一周をする」と意気込んで旅をスタートしたけれど、今思えばあの頃は旅につまらないこだわりが多すぎた。旅が長くなるにつれて世界一周なんてどうでもよくなり、バイクで旅することへのこだわりもなくなった。ゴールも目標もない旅だったから、どこで旅を終えるのかのジャッジが難しく、これだけの長い期間ユーラシア大陸を行ったり来たりしたのかも。でも、このカルドン・ラ峠にやってきて、そろそろ旅を終えてもいい気になったんだ。もちろん、今すぐ旅を終えるわけじゃない。今年の夏は一時帰国して北から南へと日本中をバイクで走るつもりだし、中東やヨーロッパにはまだ行きたい場所があり、再会したい友人もいる。でも、そろそろ旅のクールダウンを始めようと思う。世界を回れば回るほど、行きたい場所がどんどん増えていくけれど、すべてを回ろうとしてもキリがない。あと9ヶ月ほどかけ、どうしても行きたい場所を回ったら旅を終えよう(中米・南米は将来の楽しみに取っておくことにした)。この峠にやってきたおかげで、やっと旅に区切りをつける気になれたよ。ただ高いところに来ただけで、こんなことを感じるなんて不思議なことだけれど、こんなことを感じられる場所だと予感していたからカルドン・ラ峠に引き寄せられたんだろうな。
旅に区切りをつける気になっただけではなく、旅に出るまでにやってきた仕事を振り返り、消化する作業も一区切りついた。これまでブログで自分の過去の話なんて書いたことはなかったけれど、たまにはイイよね。私は27歳のときに昔からの仲間2人と小さな会社を立ち上げ、30歳の誕生日を目前にして自分たちの会社を他の会社に譲渡したのね(私は社長じゃない。社長はコイツ)。会社を潰したわけではなく、軌道に乗せた後に他社に請われて会社を譲渡したので、そこにネガティブな要素は何もない。すべて相棒の社長と、それをサポートする自分たちの意思で決めたこと。小さな成功を収めた達成感を感じることができた生涯忘れられないイイ思い出なんだ。でも、何か心にポッカリ穴が開いたような感覚もあった。10代、20代で思い描いていた夢、社会人としてやってみたかったことの大部分をこの時に達成してしまったんだもん(社会人を極めたって意味ではない。学ぶべきこと、やるべきことはまだまだある)。今の旅にしても「いつか…」と願っていた夢の1つ。それも行動に移してしまって、そろそろ終わりも見えてきた。やりたいと思っていたことのほとんどを実現してしまい、「次は何をしようかな…」と思いながら旅を続けていたんだ。私には出世欲はないし、金銭欲もあまりない。ただ、自分が好きなモノ、コトを言葉にし、その魅力を可能な限りたくさんの人に伝えたいという欲は人一倍持っている。趣味の魅力を伝えることで、日本の大人を元気に、人生を楽しくしてもらおうとしてきた。これまでのように編集者としてそれを伝えてもいいし、モノ書きとして伝えてもいい。文章ではなく、話すことで伝えてもいい。どんな形にせよ、これまで通り「伝える側」でいて、それを仕事にしていこう。私を直接知っている人なら別に驚く話じゃないだろうけれど、そんな当たり前のことをカルドン・ラ峠へと向かう道のりで改めて考え、それがストンと腹に落ちたんだ。…20代でやってきたことの振り返りとこの先のことを考えるのに、4年もかかっちゃった。こんな小難しいことを毎日考えていたわけじゃなく、暇なときにボンヤリと考えていただけだから、4年もかかったのかもね。
大学を卒業しサラリーマンを3年やり、サラリーマンをやりつつ大事な仲間とVirgin Harleyというサイトを個人サイトとして立ち上げ、それを法人化。個人サイトの時期を含めると6年もハーレーの魅力を伝える文章を書き続けてきた(細かく説明するのは面倒だから、詳しくはコレを読んでよ)。自分にとってモノを書くって行為は、自分の好奇心を少しずつ削りながら文字にしていくこと。だから、どこかで好奇心を補充していかないと、好奇心が削られる一方でどんどん磨り減っていってしまう。7年の編集生活の中で、少しずつ好奇心が磨り切れていき(無くなったわけじゃない)、「これはヤバイ」と感じたのも今の旅を始めた理由の1つ。世の中に自分にしかできない仕事なんてないと言うけれど、ゼロからVirgin Harleyを立ち上げ、編集という立場から軌道に乗せることは自分にしかできない仕事で、まさに天職だったと自信を持って言える。そんな仕事を他の編集者が担えるように整理し、後継者に引き継いで今の旅に出たんだ。世界のいろんな国を観光し、地元の人と会話し、よき旅仲間に出会い、時には各国のバイク乗りと知り合って……日本じゃ得がたい経験を積み、この2年の間に好奇心をたっぷりと補充してきた。21世紀の今、世界は大して広くないと感じるけれど、それでもたかが2年で世界のすべてを見て、知って、経験することはできない。世界には際限がない刺激と人の優しさが溢れている。1人の人間が補充できる好奇心の量には限界があるから、あともう少し旅を続けたら…そろそろ書くor話すことで何かを伝える側に戻ろうって気になってきた。「コイツの旅はいつ終わるんだ?」と思っていた仲間たち、仕事でお世話になり仕事を超えた付き合いが生まれた皆さん、会ったことも話したこともない見知らぬ人たち、あともう少しで私はモノ書きに復帰しますよ。でも、これまでと同じことをやるのは面白くないから、新しいジャンルでチャレンジするつもり。
旅に区切りをつけると決めたけれど、いきなり旅を終えるのは心によくない。だから、旅のクールダウン期間を設けて、旅を終える心の準備を少しずつしていくつもり。そんなわけで、あともう少しの間(9ヶ月くらいかな?)タビトバを楽しんでちょうだいな。カルドン・ラ峠にやって来た興奮で珍しく真面目に語っちゃったけれど、明日からはまた写真メインのブログに戻すつもり。じゃ…またね!

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7 Comments
  1. SECRET: 0
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    おっ、遂に旅の終了が見えてきたんですね。クールダウン期間が長いですけど(笑)来年の3月までってことですかね。
    なんかわかりますね。僕も最近、南米の行きたかったところがほぼ終わって、もう帰ろうかななんて思ってた所です。結局続けますけど。
    まぁ人生、楽しんでナンボですからね。お互い全力で楽しみましょう!旅も仕事も!

  2. SECRET: 0
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    おめでとう!、そういう瞬間を体験できたことを祝福するよ。
    自分の中のページがめくれる瞬間と言おうか、今の自分が見える瞬間。
    また何かあったら手伝わせておくれ。
    今は髪結いの亭主だから(笑。

  3. SECRET: 0
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    待ってますよー。一緒にビールを飲みましょう!色々ありまして今は熊本に住んでます。おいしい馬刺し用意しておきます。

  4. SECRET: 0
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    皆さん、コメントおおきにです! ここで書いたことは何年も前から頭の中では何度も考えていて、特別新しい考えじゃないんですけれど、昨日やっと文章に落とすことができたんですよね。きっかけがあると、意外にアッサリと書けましたわ。
    >ジャイさん、UGA君
    7月末に一時帰国して、今年の夏は2ヶ月ほど日本各地を放浪するので、是非会いましょう! 帰国したら連絡します。
    >Yoshiさん
    まいどー。同い年の旅行者だから、考えるテーマはかなりカブってそうですな。旅の途中か、旅を終えてから、酒でも飲みながらゆっくり話しましょうや。朝まで語りあかせそうですな。

  5. SECRET: 1
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    ぎゃぁぁ~~~!!
    こんなステキな所に
    バイクで行くんだったら★
    指輪の写真を撮って欲しかったなりぃ~~!!
    また、何かレアなチャンスがあったら宜しくね♪

  6. SECRET: 0
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    ターミーさんのこの日の日記を何度も読み返してます。
    是非、是非、これからもターミーさんの感じたことや
    見てきたものをたくさんの人に伝えて下さい!
    それから、日本を縦断する時は長崎にも寄って下さいね☆

  7. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    おおー、さくらこちゃん! またさくらこちゃんやカズオ君たちと出会ったネパールに戻ってきたよ。インドの後だとネパールの印象が全然違って面白いわ。
    もうすぐ日本に戻るから、そのときはメールするよ。長崎には大事なバイク仲間がいるから、絶対に立ち寄るし、どこかでお茶でもしよっか。

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