大ピンチ! 6月のシベリアで吹雪に遭遇 -snow in June ,around Chita ,Russia-

最終更新日

09062001
19日の朝にチタを出発し、20日の夕方にバイカル湖近くの街「ウランウデ」に到着したよ。チタからここまでは700kmほど、信号がまったくないロシアの交通事情からすれば一日で来られる距離だった。が、道中で信じがたい事態が起こって大変だった…。

チタを出発してまもなく、これまでの針葉樹の景色とは打って変わり、大草原が広がりはじめた。これから向かう予定のモンゴルのイメージだ。

09062002
ずっと写真を撮りたかった検問所の警官の写真を撮ることもでき、ハッピーハッピー。検問所の写真なんて、警察に停められないと撮りづらいもんね。自分から停まって無駄に絡まれても嫌だし…。写真のアジア系警官はモンゴル人と同じルーツのブリヤート人ね。チタを過ぎると99.9%が舗装路に変わるので移動が快適で仕方がない。アスファルトの上を走ることができるのが嬉しくて、アスファルトに捧げる歌を作ったほどの快適さ(「Oh,my アスファルト」という曲ができた)。そのまま一気にウランウデへ、と思ったら雨が降りはじめ、風も結構強くなってきた。

09062003
ロードサイドのカフェで1時間ほど休憩したものの、雨が止む気配は無し。地平線の先までどんよりとした雲が広がっている。先日、レインコートを落として探しに行かなかったのが悔やまれる…。レインコートがあれば雨でも問題なく走れるのに…。この辺り、標高高いのか、かなり寒いんだ。この寒さの中、雨に濡れながら走るのは嫌だな…とも思ったけれど、雨が止むのを待っていたらどんどん寒くなりそうだったから、宿が見つかるまで走ることにした。

これが地獄のはじまりだったた。5分とたたないうちに体はずぶ濡れ、異常なほど気温も低くなってきた。たぶん4,5℃ほどだったはず。「我慢、我慢…」と思いながら走っていると、撥水コートをしているはずのヘルメットのシールドに水滴がへばりつきはじめる。雨が雪に変わったんだ! 6月後半に雪…。信ジラレナイ、シベリアやべーよ。雪が降るってことは気温は0℃近かったんだろうね。あまりに寒すぎると身震いすら起きない。ホントにピンチなときは体から寒さの感覚が消えるってことを初めて知ったよ。「ヤバイ、コレはヤバイ」と頭の中で危険信号が点り始める。日本の冬でもここまでの寒さを感じることはまずない(レインコート無しでビショ濡れで走っていたからね)。寒さだけが問題ではなく、10秒おきにグローブでシールドに積もる雪を拭わないと前が見えない。あらゆる感覚が鈍くなりはじめたものの、何もないところで停まっても仕方がない。ハンドワイパーを繰り返し先へと進むしかない。ホント、人生終わりだと思ったね。旅がはじまって間もないのに、こんな旅に出たのを後悔しちゃったもん。

09062004
結局、休憩したカフェを出発してから70kmほど走り、次のカフェを見つけて迷うことなく緊急避難。暖かい屋内に入った瞬間、尋常じゃない震えがやってきた。たまたま入ったこのカフェ、2Fがロシア人のトラックドライバーの簡易宿泊所になっていて、頼みこんでここで一泊させてもらうことに。ホントは外国人を泊めるのはダメだったみたいだけれど、必死に頼み混んだのと、カフェのお客さん達が「かわいそうじゃないか、泊めてやれよ」と声がけしてくれてOKとなったんだ。写真がその宿泊スペース、相部屋だけれど他に宿泊者はゼロ。お値段は何と格安の300ルーブル! ここで泊めてもらえなかったら、たぶん死んでいたはず(笑)。その先、100kmくらい宿はなかったからね。
「雪が降ったと言ってもちょっとでしょ」と信じない人のための証拠写真がコレ。後から聞くとシベリアでも20年に一度くらいの異常気象の寒さだったらしい。地元のロシア人にも「こんな日にバイクに乗っちゃダメだよ」と笑われるくらい寒かった…。

09062005
翌日、気力が充実しているときに撮った写真。2009年6月19日、20日、ココには確かに雪が積もっていたんだ!

09062006
ロードサイドはこんな感じ。翌日は雪がまた降り出さないうちに走り出そうと朝早く出発。先へ進めば標高が下がり、暖かくなるはずだからね。が、走り始めたときの気温は2℃だった。一応、日本の真冬の防寒グッズは持ってきていたものの、それでも寒い。グローブなんて冬対策では最高の組み合わせだったのに指先が凍り付きそうだったもんね。6月のシベリアはこれほど寒いのか…。しかし、昨日の寒さを潜り抜けたので、ただ寒いだけじゃもう挫けねーよ。シベリアのダートといい、昨日の雪といい、得がたい経験を重ねて、私はどんどん進化しているのだ。このペースだとヨーロッパに着く頃には、私は人間じゃない別の生き物に進化していそうだ。

私なりの寒さを防ぐコツは、何も考えないこと。寒さを感じているのは自分の体であって、心を体から切り離していると考えれば少しはマシ! 寒いとか寒くないとかを考えるからダメなのだ!! 自分はここにいるようで、ここにはいない。生きているようで生きていない。そんな境地を会得すれば大丈夫。悟りではなく諦めに近い境地だね。

09062007
午後からは標高が下がり少しずつ暖かくなりはじめた。周囲の風景はこんな感じ。牛さんものんびり道路を横断していた。ぬくぬくとした表情に腹が立ち、ひき殺したくなっちまったぜ。

環境は最悪な19日、20日だったけれど、この2日もいろんな人に助けられたのは有難かったね。その一部を紹介すると。
09062008
カフェで出会ったおじいちゃん、ずぶ濡れの私にコーヒーとボルシチをご馳走してくれた。あまりに手が震え過ぎて、コーヒーは1/3くらいこぼしちゃったけれど、あのコーヒーは最高に美味かった! 手に持っているだけでその温かさが美味しいと感じるほど。コーヒーは手と鼻と舌と心で味わうものだってことを実感したよ。

09062009
ブリヤート人の家族。何でこんなに寒いのに短パンでいるんだ? 日本からバイクで走ってきたというと、「この寒さの中? 馬鹿じゃねぇか(笑)?」と爆笑されましたが、カフェの2Fに泊まれるよう尽力してくれた。

09062010
翌、20日に走っているときに立ち寄ったガソリンスタンドのスタッフ。チャイと食事を振舞ってくれた。ガソリンスタンドでここまでしてくれるなんて、ハラショーロシア! 

そんな感じでウランウデに到着。どうやらこの辺りは巨大な盆地になっているようでどこも寒い。モンゴルはここよりさらに標高が高いので、天気予報と気温をチェックしてみて、さらにヤバイようならパスしよう。この街には2泊するので、明日はレインコートを探すことにしよう。雨具無しでシベリアをバイクで走るのはヤバ過ぎるわ。

20代に仲間と起業、会社を売却し、30代前半はバイクでユーラシア横断やバックパックを背負って世界一周をして過ごす。30代後半に再び、仲間と起業し、また売却してただいまプー。趣味はダイビングと古いバイク、BMW MINIなど。 インスタグラムはこちら。 https://www.instagram.com/hoorootermy/

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