バイク修理と忘れえぬ出会い -Nice, France-

09102601
今日のブログは観光ネタではないので、バイクを知らない人には理解しづらいかも…しかも男くさい話が満載だし…。
この日はOldracerで我がSRのオイル漏れを修理する日。先週末に訪れたときにオイルリークの原因をある程度推測しているので、それほど大掛かりな修理にはならないでしょう。今回のオイルリークはロンドンで直したところとは別のところが原因…たぶんね。

09102602
タンクやシートを外して作業開始。
09102603
まずは腰下のカバーを外しました。ここはオイルリークとは関係ないんですが、ちょっと思うところがあって、ココのガスケットを交換したかったんだ。ちなみにフランスではガスケットとは言わず、ジョイントと言います。
09102604
ガスケットを交換した後はオイルリーク退治にとりかかりましょう。
09102605
原因はたぶんココ。タペットカバーのネジ山が1本潰れわずかに隙間が開いていて、そこからオイルが吹き出していました。このネジ穴は一度修復されていたみたいで、その穴を再び潰したのは間違いなく私…。ドイツでタペット調整をしボルトを締めたときに嫌な手応えがあったのを覚えてるもん。でも、見ないふりをしていたんだな。片側が締まってたらぁ大丈夫かなと思っていたんだけど、やっぱり駄目だったか。
09102606
ネジ山を作り直して作業は終了。明日ニース周辺を走り回ってオイルリークが止まったかチェックしてみます。
と、バイク修理やその他整備はほんの数時間で終了。でも、この日私はOldracerに12時間以上もいたんだな。何をしていたかと言うと…
09102607
ずっとダミアンと話し込んでいました。写真は彼の趣味のクラシックレースの様子をパソコンで見せてもらっているところ。彼はあんまり英語が得意じゃないんですが、お互いに拙い英語で何とかコミュニケーションを取り合いました。彼は本当にクラシックバイクが好きで、商売抜きで30台以上の古いバイクを持っていて、予備のパーツも膨大にストックしています。その趣味が高じてYAMAHAディーラーのメカニックになり、今はOldracerを経営しているみたい。
ダミアンは別にお金持ちじゃありません。高校卒業後に一時期軍隊にいたんですが、フランス軍はなかなか給料がいいらしい。その上、彼は実際に危険な任務がある特殊部隊に所属していて、普通の兵隊よりかなりいい給料をもらっていたみたい。で、命をかけて稼いだ給料のほとんどがバイクに消えていった、と。彼が持っているバイクやスペアパーツは彼の潜り抜けた数々の危険と等価なのか…愛すべき男だな、ダミアンは。
09102608
あらゆるクラシックレーサーを愛する彼ですが、中でも特別なのがHondaの古いレーサー「RS125シリーズ」。私はこのバイクのことを何も知らなかったんですが、彼はこのバイクを恐ろしいほど愛していて、あちこちから資料を集めていました。日本のHonda本社や、もてぎミュージアムに問い合わせて手に入れた資料もありました。Webでしか見つけられなかった資料はこうやってWordに貼り付けて大事に保存しています。
09102609
これがRS125。ボロボロの車両をイギリスで見つけてきて、コツコツレストア&カスタムしたんだとか。昔、一ノ瀬 憲明というRS125に乗って活躍した名ライダーがいたらしく、彼の写真を見せてくれながらこのバイクの素晴らしさを懇々と語ってくれました。
09102610
RS125の純正部品らしい。何、このクラシックなパッケージ?? なんでフランスのニースにこんな純正部品が転がってるんだ??? スゴイね、ダミアン! 信じられないくらいこのバイクを愛してるんだね!!
09102611
「このピストンはね…」と語りだすともう話は止まらない。子供みたいな笑顔で話し続けます。
09102612
ショップの棚からはまだまだいろんなスペアパーツを出してきます。ビジネスにはまったく繋がらないであろうパーツがココにはたくさん眠っているのね。このお店はまるでダミアンのオモチャ箱だな。
09102613
一度レースで焼きつかせたらしいピストン(たぶん、そう言っていたと思う)。そんなものまで取っておくのね。
09102614
他にも無数のバルブやら、純正の燃料ホースやら、無数のパーツがストックされていました。これだけスペアパーツがあったら、あと300年はRS125に乗れるだろうね。Hondaさん、アナタたちが作り上げたレーサーをこれほど愛している男がフランスにいるんですよ。職人冥利に尽きますね。
バイクの話が終わった後も、フランスやヨーロッパの抱える社会問題やら、私の旅で見てきた各国の話やら、気がつけば日付が変わる直前までずっと話をしていました。2日前に初めてやってきたお店で、お互い生まれた国も言葉も違うのにこんなにウマが合うとは思わなかったな。日本でもこんなに長居してしまうお店は数えるほどしかないよ…。しかも、帰り際に修理代金を払おうとしても頑として受け取ってくれません。仕方がないので日本に一時帰国したら日本でしか手に入らない資料を探し出してサプライズプレゼントとして送ろうと思います。まだたった2回しか会っていない新しい友人ですが、彼との出会いは本当に特別なもの。別れ際にお互いにちょっと涙目になってしまうほど特別なモノを感じる出会いでした。一度イタリアに入ったのにまたニースに帰ってきたのは、SRの修理や観光のためじゃなく、ダミアンに出会うためだったんだなぁ。

ターミー

20代に仲間と起業、会社を売却し、30代前半はバイクでユーラシア横断やバックパックを背負って世界一周をして過ごす。30代後半に再び、仲間と起業し、また売却してただいまプー。趣味はダイビングと古いバイク、BMW MINIなど。 インスタグラムはこちら。 https://www.instagram.com/hoorootermy/

5件のコメント

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ターミーの人間好きが、
    出会いを造るんだね!
    ダミアン好い笑顔しています。
    本当に好い旅してるよ!

  2. SECRET: 0
    PASS: 4708331b0a4d04b1ee3d735d0c861d06
    いいね!素晴らしい出会いやね
    ターミーのその細っそい目の笑顔がwww人を引き寄せるんだね~~~

  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >一度イタリアに入ったのにまたニースに帰ってきたのは、SRの修理や観光のためじゃなく、ダミアンに出会うためだったんだなぁ。
    だな。
    旅の面白さって、そういうところだよな。
     普通に暮らしてたら、出会うはず無かった者同士が出会って、妙にウマが合っちまう。
     また一つ旅の醍醐味を堪能されましたな。

  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    小さな出会いは毎日あるんですが、今回のダミアンは100人に1人くらいの特別な出会いでしたね~。どこの国でも1人、2人こういった特別な人に出会えているのは本当にラッキーなことだと思います。
    フランス人は打ち解けにくいって他の国の人から言われてたんですが、そんなことはないですね。

  5. SECRET: 0
    PASS: 504978514fb7e45f8611b0bc8f4532e0
    すばらしいです。
    日本に戻ったら
    絶対に恩返しの資料を探さなきゃだね!
    ふぁいと~♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA