レー近郊のゴンパ巡り -Near Leh , India-
レーに来てからの3日間はずっと曇りがちの妙なお天気。晴れ間が顔を覗かせたわずかな時間にレーの散策はしたけれど、近郊のゴンパ(チベット仏教の僧院)巡りは天気が良くなるまで控えていた。曇りの日に観光しても第一印象が良くないし、いい写真を撮りたいもんね。で、やっと天気がよくなったので、念願のゴンパ巡りをしてきた。
今日の相棒はコイツ。ロイヤルエンフィールドのサンダーバード。プシュカルで炎上した我がバイクとほとんど同じ見た目のモノを選んだのさ。レー近郊のゴンパ巡りはローカルバスなら安く回れるんだけれど、自分のペースで回りたいからレンタルバイクにしたんだ。1日700ルピーなり。
レーを少し離れれば、何にもない荒野が広がっている。レー近郊は交通量が少ないし、道路の状態もまぁまぁ。だから(インドにしては)バイクで走りやすい。
レーから10kmほど離れたチョグラムサル近郊でまだ新しい仏塔を発見。昨年の今頃にこの辺りで洪水が起き、チョグラムサルでは被害が大きく死者も出たらしい。きっと、その慰霊碑じゃないかな。
道なりに走っていたら1つ目のゴンパ「シェイ・ゴンパ」を発見。でも、とりあえず外観の写真だけを撮って先に進むことにする。今日のメインの目的地はここじゃない。帰りに時間があれば立ち寄ればいいのさ。
シェイ・ゴンパの近くの荒野に何百もの仏塔(チョルテンと言うらしい)が並んでいた。
シェイ・ゴンパからしばらく走ると第2のゴンパを発見。こちらは裏側。
表に回るとこんな姿! ここはティクセ・ゴンパ。ラダック地方にある無数のゴンパの中で、一番人気が高いらしい。…これだけ美しければ、そりゃ人気が出るはずだわ。
世界遺産に指定されていないのが不思議なくらい美しい…。……本当に、ため息が出るほど素晴らしい。
さて、ゴンパのテッペンまで上るとしますか。
1つ1つの僧坊が美しい。イタリアのアルベロベッロやチュニジアのシディ・ブ・サイドを思い出す色合い。
標高が高いので階段を上るだけで息が切れちゃう。それを見たローカルに笑われちゃった。
ティクセ・ゴンパのテッペンに到着! 美しい眺めじゃのう~。
反対側。いや~、このゴンパ、本当にスゴイ。ここに来られただけで、ラダック地方に来た甲斐があるってもんだ。
ゴンパ内部に祀られている仏さん。日本の仏像と似ているけれど、よ~く見ると、目のラインの描き方など違いもある。
仏さんの横に祀られていた神様。閻魔大王? きっと閻魔大王の役割も日本のそれとは違うはず。
こんなオドロオドロしい神様だっている。
曼荼羅の描き方もチベット仏教スタイル。仏像、仏画…何を見ても親しみやすく、しかも新鮮。
ティクセ・ゴンパを後にして、また走り始めよう。南へ南へと向かうのだ。
周囲の景色は中東、特にエジプトのシナイ半島と似ている。標高はまったく違うけれど、岩山ばかりの風景が実によく似ているんだ。
道沿いに新たなゴンパを発見。たぶん、スタクナって名前のゴンパだと思うけれど、ティクセ・ゴンパを見た後には普通のゴンパを見学する気にはなれない。最初に美しすぎるモノを見ちゃったのは失敗だったか…。
お次はラダック地方で最大規模のゴンパ「ヘミス・ゴンパ」にやってきたんだけれど…
外は晴れているのにゴンパが陰になっている…。ま、外観は大したことないからイイんだけれどね。
ヘミス・ゴンパの神様を見学して…
地元の子供の写真を撮り…見学は終了。
この日のヘミス・ゴンパは何かのお祭りの真っ最中。本堂ではたくさんの僧侶がお経を唱えていて、外の広場には参拝者が溢れていた。だから、見学できる場所が限られていたんだ。ま、ヘミス・ゴンパは正直行かなくてもいいと思う。
まだまだ時間が早いので、近くある別のゴンパに行くとするか。
んんんん!? なんだアレ? アレが目指しているチェムレ・ゴンパか? ガイドブックには写真無しの3行しか解説がないのに、メチャクチャ良さそう!
麓に到着…これ、ティクセ・ゴンパに匹敵するほど美しいぞ!
何枚も何枚も写真を撮りたくなるほど、私好みのゴンパ!
これだけ美しい建物は、この2年の旅で数えるほどしか見たことがない! 写真じゃその魅力の1%も伝えられないけれど…生で見ると本当に美しいんだ。
観光客がほとんどおらず、ローカルの姿も見えない。風の音しか聞こえない静寂の中、ただゴンパが佇んでいる。
チェムレ・ゴンパの周囲だけ、時間が止まっているように思える…。
晴れの日を何日も待っただけあって、この日のゴンパ巡りは実に素晴らしいものだったよ。特にティクセ・ゴンパとチェムレ・ゴンパの美しさは言葉を無くしてしまうほど。これほど素晴らしいモノを日に2つも見てしまって、感動し過ぎて頭がドッと疲れちまったわい…もうゴンパはお腹いっぱいだ。さて、ラダック地方でどうしても行きたい場所はあと1ヶ所…明日からはそこに行く準備をするのだ(入域許可証を申請するだけなんだけれどね)。