6月の吹雪 in シベリア -snow in June ,around Chita ,Russia-

19日の朝にチタを出発して、20日の夕方、バイカル湖近くの街「ウランウデ」に到着しました。チタからここまでは700kmほど、信号がまったくないロシアの交通事情からすれば一日で来られる距離でした。が、にわかには信じがたい事態が起こったのです…。
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チタを出発してすぐにこれまでの針葉樹の景色とは打って変わり、大草原が広がりはじめます。モンゴルが近いということか。


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ずっと写真を撮りたかった検問所の警官の写真も撮れ、気分はハッピー。検問所の写真って、警察に停められないとなかなか撮りづらいんですよね。自分から停まって絡まれても嫌だし…。写真のアジア系警官はモンゴル人とルーツを同じとするブリヤート人です。
チタを過ぎると99.9%が舗装路に変わるので楽勝~。アスファルトが嬉しくて、アスファルトに捧げる歌を作りはじめたほどの快適さ(「Oh,my アスファルト」という曲ができました)。そのまま一気にウランウデへ、と思ったら雨が…。風も結構強くなってきました。
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で、ロードサイドのカフェで1時間ほど休憩していましたが、雨が止む気配はありません。地平線の先までどんよりとした雲が広がっています。先日、レインコートを落としたのが悔やまれます…。レインコートがあればまだ走れるのに…。この辺り、標高高いのか、かなり寒いんです。この寒さの中、雨に濡れながら走るのは…とも思いましたが、雨が止むのを待っていたらもっと寒くなりそうだったので、最初に宿が見つかるまで走ることに。
これが地獄のはじまりでした。5分とたたないうちに体はずぶ濡れ、しかも異常なほど気温が低くなってきました。たぶん4,5℃ほどだったはず。「我慢、我慢…」と思いながら走っていると、撥水コートをしているはずのヘルメットのシールドに水滴がへばりつきはじめました。雨が雪に変わったのです。6月後半に雪…。信じられません。このとき、気温は0℃近かったでしょう。あまりに寒すぎると体に震えはやってきません。ホントにピンチなときは体から寒さの感覚が消えるんです。頭の中で「ヤバイ、コレはヤバイ」と危険信号が点り始めました。日本の冬でもここまでの寒さを感じることはまずありません(レインコート無しで走ってるからなんですけれどね)。寒さだけじゃなく、10秒おきにグローブでシールドを拭わないと前が見えません。あらゆる感覚が遠くなりはじめながら、ハンドワイパーを繰り返し先へと進みます。ホント、人生終わりだと思いましたよ。
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結局、前のカフェを出発してから70kmほど走り、次のカフェに緊急避難。暖かい屋内に入った瞬間、尋常じゃない震えがやってきました。たまたま入ったこのカフェ、2Fがロシア人のトラックドライバーの簡易宿泊所になっていて、頼みこんでここで一泊させてもらうことにしました。ホントは外国人は泊めてはダメみたいでしたが、必死に頼み混んだのと、カフェのお客さん達が「かわいそうじゃないか、泊めてやれよ」と声がけしてくれてOKとなりました。写真がその宿泊スペース、相部屋です。お値段は何と格安の300ルーブル! ここで泊めてもらえなかったら、たぶん死んでいたはず(笑)。その先、100kmくらいは宿はなかったですから。
「雪が降ったと言ってもちょっとでしょ」と信じない人のための証拠写真がコレ。
日本デ、ヌクヌクト暮ラスオマエラ、コレデモ食ラエ。
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翌日、気力が充実しているときに撮りました。2009年6月19日、20日、ココには確かに雪が積もっていたんだ!
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ロードサイドはこんな感じ。翌20日はまた雪が降り出さないうちに走ろうと朝早く出たので、走り始めたときの気温は2℃でした。一応、日本の真冬の防寒グッズは持ってきていましたが、それでも寒い。グローブなんて考えうる限りの最高の組み合わせだったのに手がかじかみました。6月のシベリアはこれほど寒いのか…。が、昨日の経験があるので、ただ寒いだけじゃ私は挫けません。シベリアのダートといい、昨日の雪といい、得がたい経験を重ねて、私はどんどん進化しています。このペースだとヨーロッパに着く頃には、私は人間じゃない別の生き物に進化してそうな気がします。「かつてターミーと呼ばれていた生物」に進化する日も近いでしょう。
私なりの寒さを防ぐコツは、何も考えないこと。寒さを感じているのは自分の体だけであって、心を体から切り離していると考えれば少しはマシです(笑)。寒いとか寒くないとかを考えてはいけません。自分はここにいるようで、ここにはいない。生きているようで生きていない。そんな境地を会得するのだ! 悟りではなく諦めに近い境地ですな。
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午後からは少しずつ暖かくなりはじめ、こんな感じ。牛さんものんびり道路を横断。思わずひき殺しそうになりました。
19日、20日もいろんな人に助けられました。その一部を紹介すると。
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カフェで出会ったおじいちゃん、ずぶ濡れの私にコーヒーとボルシチをご馳走してくれました。あまりに手が震え過ぎて、コーヒーは1/3くらいこぼしちゃいましたけれど。あのコーヒーは最高に美味かったです! 手に持っているだけで美味しいと感じるほど。コーヒーは手と鼻と舌と心で味わうもんなんだぞ、オマエら!
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ブリヤート人の家族。何でこんなに寒いのに短パンでいるんだ? 日本からバイクで走ってきたというと、「この寒さの中? 馬鹿じゃねぇか(笑)?」と爆笑されましたが、カフェの2Fに泊まれるよう尽力してくれました。
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翌、20日に寒い中走っているときに立ち寄ったガソリンスタンドのスタッフ。チャイと食事を振舞ってくれました。ガソリンスタンドでここまでしてくれるなんて、ハラショーロシア!
そんな感じでウランウデに到着。どうやらこの辺りは巨大な盆地になっているようでどこも寒い。モンゴルはここよりさらに標高が高いので、天気予報と気温をチェックしてみて、さらにヤバイようならパスします。この街には2泊するので、明日はレインコートを探して回ろっと。
※追記:雪が降った前後のこの辺りは普段はもう少し暖かいそうです。でも、時々雪が降ることもあるんだってさ。

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