ギリシャをバイクで縦断、船でイタリアへ

ギリシャの田舎道
ブルガリアを出国し、ギリシャへと入国。ルーマニア、ブルガリアで特別な出会いが無かったせいか、「ロシアやウクライナでの出会いはラッキーだっただけ。あんな出会いは旅ではそうそう無いのかも」と思い始めていた。だから、せっかくギリシャに入国してもあまりワクワクしてこない。主要な観光地を駆け抜けて、船でさっさとイタリアに渡ろうと考えていた。あの時はだんだんと旅に慣れ始めてきた頃で、もう旅をわかった気になって早く移動して旅を終わらせようとしていた気がする。


ギリシャの何でもない村
ギリシャの田舎の街並みはこんな感じだった。昔ながらの建物があるわけでもなく、何と言うか…普通の街並み。もちろん、日本の街並みとは違うけれど、ヨーロッパに期待していたのはこんな街並みではない。
ギリシャ北部の景色
高速道路を離れ、田舎の道路沿いの景色はギリシャらしい乾いた感じ。バイク乗りだから、こういう景色の中を淡々と走り続けるのは得意だし、好きだ。この写真を撮ったのはたしか朝6時過ぎだったとはず。上手く宿が見つからず、その辺の林でキャンプをした翌日の写真。キャンプをしていると日が上ると同時に目が覚めてしまい、朝早くから走り始めてしまうんだ。
メテオラ
ギリシャで最初に訪れたのはメテオラという街。街中には巨大な岩山がいくつもそびえ立っている。旅に出る前にバイク仲間がメテオラの話をしていて、「いつか絶対に行きたい場所」と語っていたのが気になっていた。その後も、誰かが強く行きたいと思う場所にはできるだけ行くようにしていた。誰かにそれだけ想われている観光地が悪いワケがない。この旅で私がどうしても訪れたかった場所は実はあまり無く、友人や各国で出会った人にオススメの場所を教えてもらいながら旅をしていた。あらかじめ訪れる場所をすべて調べられるほど世界は狭くないし、予定をガチガチに立てるのはつまらないからね。
メテオラの奇岩
メテオラの山上から見る奇岩の風景。ロシアからほとんど平野部を走ってきたから、こういう絶景を見ると新鮮な気分だ。バイクを停め、しばらくぼんやりと岩山を眺めて過ごす。確か、この場所で香港から来た女性バックパッカーに話しかけられたんじゃなかったかな。どういう旅をして、どこへ向かうのか、名前も聞いてどこかの国での再会を約束したはずだけれど、結局再会することは無かった。旅人同士の出会いと別れは結構緩く、みんな「縁があれば再会するはず」と思っているはず。だから、無理にお互いの予定を合わせることはない。 「See you again (またね!)!」と声をかけて、再会しないのも旅らしくてイイじゃないか。しかし、あの子は何て名前でどんな顔をしていたんだろう…写真を撮っておけば良かったな。
メテオラのメガロ・メテオロン修道院
メテオラの岩山にはいくつかの修道院が建てられていて、世界遺産に指定されている。すべてを訪れるほど修道院に興味は無く、上り下りしなきゃいけない階段が面倒で外からチラっと見るだけで満足した。せっかく目の前まで行ったのに入らなかった観光地はこの先もいくつもあり、それに後悔したこともあるけれど、メテオラについてはこれで充分だったと思う。岩山から見た奇岩の眺めが記憶に残っているから、それでOK。
アテネ
メテオラの後はギリシャの首都アテネへ。教科書に載るほど長い歴史を持ち、世界の誰もが知っている観光地。ここがこれほど落書きばかりの街だとは思っていなかった。騒がしく、排気ガスにまみれた街。最初はあまりイイ印象が無かったけれど、それが今のアテネなんだかイイじゃないか、と思うようになった。この先、世界の街で落書きの写真を撮り始めたきっかけはアテネを訪れたからなんだと思う。あまりに落書きが多く、それを残念に思う声をたくさん聞いたけれど、それが街の個性なんだから写真に残しておこうと思ったんだ。
パルテノン神殿
初めて見るパルテノン神殿にはそれなりに感動したけれど、補修工事のクレーンが邪魔で少し興ざめ。訪れる人も多く、何千年も前の姿をイメージできる雰囲気では無かった。
アテネの衛兵
アテネは2泊しただけで移動することにした。この街は3年半ほど後にもう一度訪れている。2度目のアテネは前よりたっぷりと楽しめた。この時はまだアテネのような街を楽しむ準備ができていなかったんだろう。
コリントス運河
アテネから高速を飛ばすこと2時間。コリントス運河を渡ってペロポネソス半島に渡る。この半島にあるぺトラという街から、イタリア行きの船が出ていて、そのためにやって来たんだ。すぐに船に乗るのはもったいないので、少し半島をバイクで旅してみることにした。
ペロポネソス半島の田舎道
夏真っ盛りのペロポネソス半島は強い陽射しがキツい。ただ、空気が乾燥しているのでバイクで走っていると気持ちいい。日陰に入るだけでも涼しい。そんなことを考えながら、ガソリンスタンドで買った大雑把な地図を頼りに南へ南へと走る。途中、世界史の教科書に出ていたミケーネ遺跡に立ち寄ったけれど、紹介する気がおきない程度の遺跡だったよ。
ペロポネソス半島のラリッサ城
ペロポネソス半島で一番記憶に残っているのはアルゴスという街の郊外にあるラリッサ城。ラリッサ城は山の上にあり、遠くからでも山頂にお城があるのがはっきりと見える。どんな城なのかは知らなかったけれど、ずっと視界に入ってくるので立ち寄ってみたくなった。山上までバイクで上ると誰もいない。物売りもいないし、チケット売り場もない。どうやらラリッサ城は観光地ではないらしい。でも、打ち棄てられた感が素晴らしいし、城から見下ろすアルゴスの街並みも綺麗。なのに誰もいない。
ペロポネソス半島のラリッサ城
ギリシャは観光資源に恵まれているから、こんなところまで観光地にする必要はないんだろうか。勿体ない…と思いつつ、独り占めできるのが嬉しい。壊れて開けっ放しになっている城門から中に入り、誰もいない城の中を一人で散歩する。恐らく、それほど古い城ではなく、歴史的価値も小さいのだろう。でも、100年前や200年前に訪れても同じ景色だったんじゃないか、昔をイメージするにはもってこいな素敵なお城だった。こんな気分が味わえる城なんて日本でも、この先の旅で訪れた国でも無かったはず。
ペロポネソス半島の道
ギリシャはワインの産地として有名。荒れた土地ばかりに見えるギリシャでは葡萄畑とオリーブ畑ばかりを見ていた気がする。もしかしたらトマトもこういう土地で栽培されているのかもしれないな。
生粋のスパルタ人
ペロポネソス半島で一番訪れてみたかったのはスパルタの町。かつて都市国家を作り上げ、勇猛果敢で知られ、スパルタ人をテーマにした映画までも撮られたスパルタ。しかし、今では笑顔が素敵で素朴な人が住む田舎の町だった。筋骨隆々の上半身裸の男たちが街を闊歩しているとは思っていなかったけれど、思い描いていたイメージとのギャップが大きすぎる。でも、カタコトの英語を話すギリシャ人からスパルタで、スパルタの話を聞いたのは良い思い出。
ギリシャの田舎のカフェ
特に見るべきモノが無いスパルタには1泊しかせず、田舎の村で休憩しつつ、港町パトラを目指す。田舎のカフェでは朝から地元の人たちが集まり談笑中。この人たち何をして生活しているんだろうなぁ…と思っていたら、何年か後にギリシャで経済危機が起き、国民の20だか30%が公務員だと知った。朝から暇そうにしていた人たちも公務員だったんだろうか…確かにアテネ以外で忙しそうに働いている人を見た記憶がない。あの人たちは経済が破綻しても、朝からカフェでのんびりコーヒーを飲みながら「大変だ、大変だ」と言いあっているんじゃないか。
イタリア行のフェリー
そんなワケでギリシャには1週間もいずに船で出国。2013年にギリシャに戻ってきたときは、アテネからエーゲ海の島を回ったけれど、それについて紹介するのはまだまさ先の話。バイクで旅をしていると、離島には行く気になれなかったんだ。安心してバイクを預けられる場所を知らないからね。
イタリア行のフェリー
ギリシャのパトラからイタリア中部のブリンディシへと渡る船内はこんな感じ。元々は日本で就航していたフェリーらしく、船内はどこか懐かしい感じ。最安値のチケットだと床で寝るしかなく、みんな寝袋を持参。私も寝袋は持っていたけれど、船内があれほどクーラーが効いているとは知らず、バイクに括り付けたまま客室に入ってしまった。寒さには相当強いんだけれど、あまりの寒さに風邪をひきそうになったよ。

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